音楽の魅力ってなんだろうねっていうお話(それと、これから)

おはようございます
ボカロPの軽井さんです。

ぼくは最近、音楽以外の創作に
目を向けるようになってから
こんなことが気になるようになりました。

音楽という表現だけがもつ魅力とはなんだろうか?

どうでもいいようなコトかもしれませんが、
表現者にとっては大事なお話です。

なぜなら、クリエイターが表現したいことと、
選んだ表現手法がかみあっていない可能性があるからです。

かわいい女の子の表情が描きたいなら、
小説を書くよりも、イラストを描いた方がいいです。

かっこいいバトルアクションを描きたいなら、
イラストよりもマンガやアニメを作った方がいいです。

パン屋さんでパンを買い、
電気屋さんで家電を買うように
表現には、適した手法があるはずです。

今は、ボカロPとして音楽を作っている軽井さんですが、
このままでいいのかなぁと最近思い始めてきたんですね。

なので、音楽が何を表現するためのものなのか
なにが音楽の魅力なのか
もういちど考えてみようと思いました。

結論からいうと、
音楽は「気分や雰囲気」を表現することが得意な手法なのだと思います。
ですが、永遠に主人公にはなれません。

これだけ言ってもワケがわからんと思うので
なぜ、そう思ったのかについて詳しくお話しますね。

表現ごとの特徴をかんがえる

写真というものは現実の世界を切り取ったものです。
なので、目に見える情報をいっぱい含んでいます。

お花畑の写真をとったら、撮影した人が意識していない土や虫、
はっぱについた水滴まで映り込みます。
その情報量こそが写真の持つリアリティです。

反対にイラストでは、ひつようのない情報を切りすてて
デフォルメすることで、表現したいものを描き出します。

特別に表現したい場合をのぞいて、
わざわざ顔のしみや髪の毛についたほこりを
描いたりすることはありませんよね。

なかにはリアルをつきつめた、
写真のようなイラストもありますが、
写真の情報量にはやはりかないません。

なぜなら、描き手が意識して
描こうと思ったものしかイラストには描かれないからです。

では、イラストが写真より劣っているかといえば
そうではないですよね。

イラストでしか表現できないものはたしかにあって、
それぞれあつかう表現手法が違うだけです。

こんな具合に、手法によってできる表現や
できない表現を考えたとき、
音楽には何ができるのでしょうか。

音楽がもつ性質

音楽が得意なこと、
それは何かと考えた時に真っ先に挙がるのは
「感情を動かすこと」でした。

映画やドラマの重要なシーンでは、
かならず感動的な音楽がかかります。

よい音楽とであえた時には、
背筋がぞくぞくして心が震えます。

でも、そんなことは他の表現でも同じことです。

小説でもマンガでも、イラスト一枚にだって
人を感動させることはできるのです。

だから「感動」そのものは音楽という表現手法の特徴ではないです。

大事なのは、どのように心を刺激して
感動させているかなのです。

そこで気づいたことがひとつあります。

音楽は、
「単体で消費されることが圧倒的に少ない」
ということです。

BGM的につかわれる音楽はもちろんのこと、
アーティストが発表する新曲にも、
必ずMVやPVがついています。

音楽が主役にみえるライブやフェスも、
現地の熱狂やあこがれのアーティストを
生で見れるという体験とセット売りされています。

映像や演奏のパフォーマンスなしに
音楽を聴いているようなストイックな人間は、
ごくごく稀じゃないでしょうか。

まてまて、俺はAppleMusicやSpotifyで映像なしの音楽を
楽しんでるよ!
っていう人もいるかと思います。

でも思い出してください。
それは家事や勉強、通勤通学のお供ではありませんか?

おそらく現代で、音楽を目をつむって
単体で楽しんでいるのは
作曲中のアーティストくらいのものだと思われます。
(みんなはどう?)

そもそも音楽の起源って遠くの仲間との連絡手段であったり、
(西アフリカにはトーキングドラムという、
決まったメロディで連絡をとるための楽器が残っています)
宗教的な祭事における神との通信の手段であったりと、
そもそも手段であってメインコンテンツではないのです。

これが音楽の魅力

じゃあ、音楽は主人公になれないダメなやつか
と言われれば、そうじゃないです。

音楽がないと、エンタメは情報量の半分を
失うことになるでしょう(たぶん)。

音楽は、主人公になれない代わりに、
すさまじい情報量をもっています。

ニコニコ動画で「UC」というミームが
存在することはご存知でしょうか。

これは、アニメやドラマでどんでん返しがある場面や
衝撃的なシーンにあわせて、
機動戦士ガンダムUCの劇伴曲「UNICORN」を流すことで、
どんなシーンでも壮大に見えてしまうというある種の面白さ
(説明できているかわからないので検索してみて)
で一定の人気があるMAD動画です。

このUC動画が象徴するように、
音楽には場面の雰囲気を決定する力があります。

ドラゴンボールのバトルシーンで
スネ夫が自慢話するときの曲が流れたりしたら、
間がぬけてしまいます。

かわいい女の子の日常シーンでも
貞子のテーマが流れていたら、不穏な展開に
身構えてしまいますよね。

逆に、シリアスな場面で緊張感のある曲を
バトルシーンでは激しい曲を流せば、
画面だけでは伝えきれない雰囲気を補強することができます。

お祭りで祭囃子が聞こえたら胸が高鳴り、
カフェでボサノヴァが聞こえたらリラックスすることができる。

これこそが音楽の持つ力だと思うのです。

まとめとこれから

書いてしまえば、なんてことはない
ふつうの結論です。

音楽は「雰囲気」を表現することが得意な手法なのだと思います。
ですが、永遠に主人公にはなれません。

これは最初に書いた結論ですが、
最近うんうん考えた結果でてきたのがこれなのだから仕方がない。

ですが、ぼくにとっては大きな収穫となりました。

ぼくは、基本的にひとりでモノをつくるクリエイターです。
あまり人とやりとりをしながらひとつのモノをつくるのは、
得意じゃない。

そうすると、根っからのクリエイター気質でない僕にとって
(創作にかける熱量が少ない)
音楽をつくるのは負担が大きいんですね。

なぜかというと、音楽は単体で聴いてもらうことが
できないからです。

音楽をつくるだけなら良いですが、
人に聴いてもらうためには
イラストが必要で、
動画が必要で…

これまでいろいろ挑戦して全部ひとりでやっていましたが、
ひとりでは作品を届けるまでに時間がかかりすぎてしまう。

そして、よいと思ってくれた人の多くは、
次の作品が届く前に忘れていってしまう。

それなら、音楽はつくりたいときや必要な時に作って、
ひとつで完結するモノを軸にモノをつくりたいなぁ。
と思ってしまったんですね。

そこで目をつけたのが、ストーリーです。

ぼくは、こどものころから
音楽がすきなわけではありませんでした。

音楽にハマったのは高校生でボカロを
友人に勧められてからです。

むしろ、小さい頃からだいすきだったのは小説やアニメの
登場人物やストーリー。

小学生のころには、机に落書きを、
中学生のころには、自分で小説をかいたりしていました。
けれど、自分には小説家やマンガ家なんかむりだと思って、
いつも途中で諦めていた。

ですがどうでしょう。

高校生の時に思いつきではじめた音楽で、
ぼくの作品をすきだと言ってくれる人がいる。

くるしいときにかいた歌詞に
共感してくれる人がいる
(少しだけどね)。

ちょっとだけど、音楽でお金を稼ぐこともできた!

きっと小説でも、マンガでも、
やればできると思わせてくれたんですね。

だから、ぼくはしばらくお話をつくります。

ただでさえ少ないボカロ曲の投稿が、
もっと減ってしまうと思います。

そのかわりに、おもしろいお話をつくって、
感動させてやります!

そして、もちろんそのお話を元にして
またボカロ曲をつくるのです。

カゲプロもミカグラも、
最近ではYOASOBIさんも、
ボカロはストーリーと相性がいいのです!

だから、ちょっと遠回りだけど
あたらしい挑戦に、しばしおつきあいください。

しばらくは、noteやTwitterの投稿も、
音楽よりお話のことが中心になると思いますが、
こいつ趣味変わったな…リムっとこ…
とかいわないで…!!

そのうち、ひとまわり大きなプロジェクトを
お見せします!

以上、閉廷…!!

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